住宅営業が実体験をもとに解説
注文住宅の打ち合わせで人気の要望の一つが「吹き抜け」です。
SNSや住宅展示場でも開放感のある吹き抜け空間を目にする機会が多く、「せっかく注文住宅を建てるなら採用したい」と考える方も少なくありません。
一方で、
「寒くないの?」
「音が響かない?」
「後悔しない?」
といった不安の声もよく耳にします。
今回は住宅営業の経験をもとに、吹き抜けのメリット・デメリットを解説します。
結論から言うと、私は吹き抜けが非常に好きです。
もちろんデメリットもありますが、それ以上に得られる価値が大きいと感じています。
吹き抜けとは?
吹き抜けとは、1階と2階の間に床を設けず、上下階をつなげた空間のことです。
リビングに採用されるケースが最も多く、天井高さが通常よりも高くなることで開放感を演出できます。
また、高窓(ハイサイドライト)を設置することで採光計画にも活用されることがあります。
近年では高気密・高断熱住宅の普及により、以前よりも採用しやすい間取りとなっています。
吹き抜けのメリット
圧倒的な開放感が得られる
吹き抜け最大のメリットは、何と言っても空間の広がりです。
例えば同じ20帖のLDKでも、天井高が2.4mの空間と吹き抜けのある空間では体感が大きく異なります。
視線が上方向へ抜けることで、実際の面積以上に広く感じられるのです。
住宅営業として多くの完成見学会をご案内してきましたが、お客様から最も感動されるポイントの一つが吹き抜けです。
特に敷地面積に制限がある場合でも、縦方向の空間を活用することで広がりを演出できます。
私は個人的に、このメリットだけでも吹き抜けを採用する価値があると感じています。
もし自分が家を建てるなら、吹き抜けは採用したい設備の一つです。
それほどまでに、大きな空間が生み出す開放感やデザイン性には魅力があります。
採光計画がしやすい
吹き抜け上部に窓を設置することで、建物の奥まで自然光を取り込めます。
特に住宅密集地では隣家の影響を受けやすいため、高窓を活用した採光計画は非常に有効です。
日中は照明を付けなくても明るく過ごせるケースもあります。
デザイン性が高い
吹き抜けは住宅の見た目にも大きな影響を与えます。
例えば、
- シーリングファン
- 化粧梁
- アイアン手すり
- 大開口サッシ
などと組み合わせることで、より印象的な空間を演出できます。
注文住宅らしさを感じやすい間取りの一つと言えるでしょう。
吹き抜けのデメリット
1階の音が2階へ響きやすい
住宅営業として最もお伝えしているデメリットがこれです。
吹き抜けは1階と2階が一つの空間としてつながるため、音も伝わりやすくなります。
例えば、
- テレビの音
- 会話
- 子どもの遊ぶ声
- キッチンでの作業音
などが2階まで届く場合があります。
特に最近の住宅は高気密住宅が主流です。
気密性能を表すC値が優れている住宅では外部の音は入りにくい一方、室内の音は反響しやすい傾向があります。
そのため吹き抜けと高気密住宅の組み合わせでは、想像以上に音が伝わるケースもあります。
生活スタイルが異なる家庭は注意
吹き抜けを検討する際に特に注意したいのが「生活時間の違い」です。
例えば、
- ご主人が夜勤勤務
- 奥様が早朝出勤
- 受験生がいる
といったケースです。
1階でテレビを見たり家事をしている音が2階まで届くため、睡眠や勉強の妨げになる可能性があります。
家族全員の生活リズムが近いご家庭では問題になりにくいですが、勤務時間が大きく異なる場合は慎重に検討した方が良いでしょう。
2階の床面積が減る
吹き抜け部分には床を設けないため、その分だけ2階の有効面積は減少します。
つまり、
- 子ども部屋を広くしたい
- 収納を増やしたい
という場合には不利になることもあります。
限られた延床面積の中では、吹き抜けと居室面積のバランスを考える必要があります。
メンテナンスがしにくい
吹き抜け上部の窓や照明は高所になるため、掃除やメンテナンスが容易ではありません。
設計段階で、
- 電動ロールスクリーン
- メンテナンス用足場の計画
- 掃除しやすい照明器具
などを検討しておくと安心です。
吹き抜けがおすすめな人
吹き抜けは以下のような方におすすめです。
- 開放感を重視したい
- 明るいリビングにしたい
- デザイン性を高めたい
- 注文住宅らしさを出したい
反対に、
- 夜勤などで生活リズムが異なる
- 音に敏感
- 部屋数を優先したい
という方は慎重に検討することをおすすめします。
まとめ
吹き抜けには、
- 空間が広く見える
- 採光性が向上する
- デザイン性が高まる
といった大きなメリットがあります。
一方で、
- 1階の音が2階へ響きやすい
- 生活スタイルによってはストレスになる
- 2階の床面積が減る
といったデメリットもあります。
しかし住宅営業として多くの住宅を見てきた中で、吹き抜けが生み出す開放感は他ではなかなか代えがたい魅力だと感じています。
私自身が家を建てるとしても、吹き抜けは採用したいと思うほど魅力的な空間です。
家族構成や生活スタイルを踏まえたうえで、自分たちに合った吹き抜け計画を検討してみてはいかがでしょうか。

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